2017年07月26日

意外と簡単にできる相続税の計算

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相続税の計算は、正確に計算する場合は非常に複雑であり、一般の人が行う事は困難と言えます。しかし、おおまかに税額を知りたい場合は意外と簡単に計算できます。その計算方法は、まず、課税価格を計算する事から始めます。

課税価格は、相続や遺贈(遺言に従って財産を取得する事)により取得した遺産と生命保険金などのみなし相続財産、あるいは相続時精算課税を利用して贈与された財産、被相続人が死亡する前の3年間で贈与された遺産の合計価額から、非課税財産の価額と借入金などの債務、葬儀費用などを差し引いて計算します。

全ての相続人や受遺者の課税価格が算出した後は、それを合算し、基礎控除額を差し引きます。基礎控除額とは、法定相続人の数に600万円を乗じた金額に3000万円を加算した金額となります。この法定相続人には相続放棄をした人も含まれ、また、法定相続人が養子の場合は被相続人に実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までが含まれます。

基礎控除額を引いた残額は法定相続分で分割し、各法定相続人が取得した課税価格に応じた税率を乗じます。そうして算出したそれぞれの税額の合計が相続税の総額となり、それを実際に財産を取得した人の課税価格に応じて按分すると、それぞれが負担する税額が計算できます。

最後に、その税額から配偶者の税額軽減や未成年者控除、相次相続控除などの税額控除を差し引いた金額を納付します。なお、被相続人の一親等(両親や子ども)以外の者が負担する税額は、2割を加算された税額となります。これは税額控除を差し引く前に行いますので注意して下さい。